平成18年度在米日本専門家中南米派遣プログラム
South
America Art & Lecture Program, 2006
The Japan
Foundation, New York
3. The 3rd
Site: ARGENTINA
Schedule
in Argentina (日程表:11/4 – 11/8/06))
Argentina:
http://en.wikipedia.org/wiki/Argentina
講演会のポスター http://www.exbecarios.org.ar/manga.asp Embassy
of Japan at Argentina http://www.ar.emb-japan.go.jp/Contenido/05.AgendaCultural.htm |
(Wikipediaサイトより抜粋) 公式の英語表記は、Argentine
Republic(アージェンタイン・リパブリック)。通称、Argentina(アージェンティーナ)。日本語の表記はアルゼンチン共和国。通称アルゼンチン。 国名は、ラテン語で「銀」を意味するArgentumに因んだ名称。
[食文化]肉料理などを中心に充実した食文化の歴史がある。特にサーロインステーキ(Bife
de Chorizo)、ソーセージや臓物も含んだ焼肉の盛り合わせであるパリージャ(Parrilla)は有名。一方魚は、一般的に、メルルーサ(鱈)か鮭くらいしか食しない。また、世界有数のワイン生産国であるが、ほとんどを国内消費するため海外にはあまり知られていない。
ヨーロッパではほとんどブレンドにしか用いないマルベック(Malbec)という品種は、アルゼンチンでもっとも味が良いとされている。 [音楽]世界的に、アルゼンチンタンゴが有名。
このタンゴのラテンリズムがヨーロッパに持ち込まれ、コンチネンタルタンゴにもなった。
他にもサンバ、ルンバなどがある。また様々なフォルクローレ(民謡)が存在する。[スポーツ]サッカーが盛んで、ブラジルと並ぶ南米の強豪として知られている。ディエゴ・マラドーナを筆頭にサッカー史上に残る名選手を多く輩出。
国内リーグもリバープレート、ボカ・ジュニアーズなどの名門クラブがしのぎを削っている。 11/4(土)最後の講演地、アルゼンチンの首都ブエノスアイレス(「良い空気」という意味)に到着。アルゼンチンに対するイメージは、サッカーの超有名人マラドーナのちょっと田舎臭い風貌から想像していたので、
まさかこんなにヨーロッパ色の強い、洗練された文化があるとは。特にコンテンポラリーアートの質の高いこと、新鮮な驚きです。
今回はアルゼンチン大使館を窓口に帰国留学生会主催の講演ということで、滞在中は日系の方々とお話しする機会に恵まれました。特に素敵な日系女性の方々との笑い卒倒のおしゃべりは、何よりの思い出。また講演日が滞在最後の日(11/7火)、その前の週末が割と自由ということで、ブエノスの街を堪能。予定していた学校訪問以外にも、タンゴにフリーマーケット、そしてミュージアム三昧の日々。 2週間はあまりにも短く、南米を理解するにはほど遠い旅でしたが、それでも南米病にかかるには十分すぎるほどの時間。また近い内に南米に帰ってこれることを願いながら、この街を後にしたのでした。 Many
thanks for everything (^_^)! |
1. Manga
school in Centro Nikkei Argentina 11/4 (土)まず、日系団体「セントロ日系アルゼンチン」がボランティアで開催しているマンガスクールを見学。毎週火、水、土曜日の夕方開催。9〜25才ぐらい約65人が通っているとのこと。レベルは初級2クラス、中級3クラス、上級1クラスの三段階。実際のプロのマンガ家(コミック、イラストレーター?)が指導。見学したのは中級クラス。 |
2. Manga
school in Centro Nikkei Argentina ここもブラジル同様、皆一様に絵のレベルは高い。指導者の話によると、まずは絵の質を高めてから、ストーリー構成、コマ構成の指導をするとか。マンガ家(コミック)になるためには、やはりブラジル同様の形式。また作品作りはやはりアメコミ式の分担制がまだ中心とか。 |
3.
Manga contest judges at Central Nikkei Argentina From
left: Christina (translator), Agustin (comic artist), Andrea (comic artist
and manga school teacher), Nicolas (comic artist), and Ricardo (vice
president of Centro Nikkei Argentina) マンガコンテストの審査のミーティング中 左から私の通訳のクリスティーナ(帰国留学生会メンバー)、マンガ家のオーガスティン、アンジェラ、ニコラス、そして帰国留学生会副代表の外間(ほかま)リカルド氏 |
4.
Selected Manga Illustrations for the contest マンガスクール見学後、マンガコンテストの審査を依頼されましたが、実際のところイラストレーションコンテストだったので、選考後のコメントだけということで参加させてもらいました。上記は最後の7つに選ばれた作品群の中から。審査は3つの条件(1. Originality, 2. Aesthetics, 3. Quality) で選択。 |
5.
Tango at Taconeando 3ペアがそれぞれに踊り、男性だけとか女性だけ、もしくは3ペア全員でのタンゴも。これは1ペアのみのダンス。 |
6.
Tango at Taconeando 到着のその夜、日系アルゼンチンのペペさん(元歯科医で現在、タンゴスクールを経営)にエスコートしてもらい、楽しみにしていたタンゴショー、タコネアンドという老舗へ。まず8時半食事の後(ここの前菜の牛肉薄切りのマリネ、チーズソーズかけが絶品!)ショーとなるのですが、始まったのが何と10時過ぎで終了が12時過ぎ。これでまだ宵の口だそう。 |
7.
Tango 最後。ダンサーが音楽担当の人たちへも感謝の拍手を。いやー参った参った。すっかりタンゴの情熱と美しさにあてられてしまった夜。この後、わたしは滞在中、3回もタンゴを見ることになるのでした。 |
8.
Kei at the entrance of the free market 翌11/5(日)、大使館文化部(そして帰国留学生会のメンバーでもある)ミルタさん、そして9才の息子さんけい君と一緒に、フリーマーケットへ。 |
9.
The free market 骨董品だけでなく、アーティストによる作品も路上で販売。私はいつものように一目惚れしてしまった、キッチュでポップな3−Dコラージュのキオスクミニチュアアートを購入。そしてポップなタンゴシーンを描いた水彩画も購入。(最近どういうわけか、目がいくのはこういったポップなものばかり、、、^_^) 途中で小雨が、雨宿りがてら昼食で入ったお店で、またタンゴと今度はフォークロアを堪能。(畳二畳にも、みたない場所でパフォーマンスが。)こういった風に街のあちこちで週末はタンゴが見れるとのこと。生活の一部という感じ。これもまた違った趣きで素敵でした。 |
10.
The free market とにかくいろんなものが売っています。 (ときにはこんなコスプレで) |
11.
Kei in the free market けいくん(うちの息子と同じ、サッカー少年!) |
12.
National Museum 国立美術館へ。 |
13.
Museo Nacional de Bellas Artes (MNBA) National
Fine Art Museum http://www.mnba.org.ar/ フリーマーケット散策の後、雨のそぼ降る中、ミルタさんと国立美術館へ。そこではやはり日系アルゼンチーナのマルゴと待ち合わせて中へ。 |
14.
Jakarantan 街路樹としてジャカランタン(スペイン語ではハカランタン)の青い花が今は盛りと雨の中を咲き乱れておりました。アルゼンチン国旗の色と同じブルー。 |
15.
Contemporary art in National Museum 近代アートの質の高さにびっくり! 素晴らしいコレクション。 |
16.
Contemporary art in National Museum |
17.
Renata SchussheimÕs artwork in National Museum これは特別展のレナタの作品群。写真がアーティスト自身。 |
18.
Renata SchussheimÕs artwork in National Museum |
19.
Renata SchussheimÕs artwork in National Museum 2−D、3−Dありの豊かな作品の中、これはひときわ幻想的なインステレーション作品。有機的な柱の中に天井からつり下げられたブランコに乗るリアリスティックだけど、どこか怪しいフィギュアが、、、 |
20.
Renata SchussheimÕs artwork in National Museum アルゼンチンでも有名なダンサーの写真をカラフルに加工した作品。 |
21.
Florencio Molina Campos in MNBA アルゼンチンで人気のコミック風絵柄のカンポスの作品(彼はカレンダーの絵にインディオの生活をコミカルに描き人気を得、アーティストとしての地位をかためる。 |
22.
Benito Quinquela Martin in MNBA http://en.wikipedia.org/wiki/Benito_Quinquela_Mart’n アルゼンチンが生んだ最も有名なアーティスト、ベニト マーティン。独学で絵を学び、市井の様子を描き続けた。有名なサッカーチームボガの球場近く、河口に彼自身の美術館もあります。 |
23.
El Mandylion Museum http://www.museos.buenosaires.gov.ar/hernandez.htm# 国立美術館で楽しんだあと、さらにアルゼンチンならではの作品を集めた美術館へ。今回改装工事中とかで、メダリオンの展示場のみの見学。 |
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El Mandylion Museum |
25.
El Mandylion Museum 金箔に装飾された宗教画アイコノグラフィー |
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El Mandylion Museum 正直感激しました。大学の芸術鑑賞学の中でも、もちろん紹介していますが、私個人としては特に好んでいたものではなかっただけに、本物がこれだけ揃うとやはり圧巻。そして美しかった。 |
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El Mandylion Museum その中でも特に気にいったのが、旧約聖書の天地創造シリーズ。これはその一枚。神はまず(人間を作る前に)ありとあらゆる生命を作りだしたのでした、というシーン。 |
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With Margo & Mirta at La Biela 美術館巡りを堪能した私たちは、近くのこじゃれた高級カフェでコーヒーとケーキ、ワッフル等を食したのでした。写真右からミルタさん、ウエイターのおじさん、マルゴさん。(ブラジルでも思ったのだけれど、日系の方々ってとても優雅な日本語を話されます。私たちの言語がかなり変化していることの証明でもありますが、ここには私たちが忘れ去った美しい日本語が存在している。ちょっと考えさせられました。) |
29.
Instituto Medalla Milagrosa 翌11/6(月)はブエノスアイレスにあるメダラミラゴロサ学校(幼稚園から高校まで)へ美術教育プログラム見学 |
30.
Instituto Medalla Milagrosa 左は中高校の美術の先生(8−12年生) 右は小学校の美術の先生(1〜7年生) |
31.
Instituto Medalla Milagrosa ちょうど低学年の展示会が終了したばかりとかで、回収したばかりのそれらの作品を拝見。これは4〜5歳児の作品。「自分の街ブエノスアイレス」で紙を切り貼りしてのマップ作り。(クラスが終わった後のアフタースクールプログラムでの作品群。週2回。自由参加。) |
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Instituto Medalla Milagrosa これはやはり4〜5歳児の作品。 インディオのデザインを勉強後、絵文字作り。 |
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Instituto Medalla Milagrosa プレドー(粘度作品)動物を作ろう! |
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Instituto Medalla Milagrosa 高校の美術授業のカリキュラムの一つ。過去30年の間、政治的に抹殺された人々のパネルアート(高校でこういった問題提起の美術教育カリキュラムはとても新鮮。日本では考えられないと思うのは私だけ?) |
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Instituto Medalla Milagrosa (Juan) 私が子供の描画に現れるマンガの影響を調べているということを知って、わざわざ彼を招待してくれていました。17才のジュアン君。マンガがとても好きとのこと。 |
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Instituto Medalla Milagrosa 同高校の美術教育カリキュラムの一つ、ポップアートの学習(内容を見る限りでは、とても米国的。Elements of Art(線、空間、色、等の美術の構成要素)の勉強、そしてこの作品のような芸術ムーブメントからアートを学習していくものなど。とてもシステマティックに美術を学習している様子がうかがえる。 |
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Instituto Medalla Milagrosa (5th Grade) 同小学校の美術授業、5年生のクラスを見学。リサイクルグッズで海のテーマで作った彫刻作品群を手に。これをもとに「海の底」というテーマで劇をやったそう。 |
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Instituto Medalla Milagrosa (5th Grade) これはとてもユニークな作品。身近にあるものを擬人化してマンガちっくに描いているもの。 |
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Tango at Michelangelo この日は大使館、文化センターで記者会見の後、歓迎レセプション。おいしいお寿司をたくさん食べたあと、なんとラッキー。私がタンゴにはまってしまったことを知り、記者の一人が有名な「ミケランジェロ」というタンゴショーレストランでのディナーをセット。レセプションの後、通訳のクリスティーナと直行。ここはかなりショー仕立てで、タンゴの由来を見せてくれます。(なんと一番前の席で!食事もワインも最高!) |
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Talk トークは大まかに4つの内容に(1、発達論を元に子どもの描画に表れるマンガの影響。2、マンガの特徴と視覚文化社会における影響について。3、少女マンガ展示会の概要。4、北米展示会の様子)。ここは講演に入る前の導入部分。NAEA(National Art Education Association)ジャーナルの表紙のイメージをスクリーンに(私の最初のマンガに関する論文が米国美術教育ジャーナルに掲載され、その関連イメージをアレンジしたものが、そのジャーナルの表紙に。2001年春のこと。ちなみにその時のタイトルはÒWhat
is Manga?: The Influence of Pop-culture in
Adolescent ArtÓ というもの。内容は下記のサイトから: http://www.csuchico.edu/~mtoku/vc/Articles/toku/Toku_what%20is%20manga_.html |
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Talk 11/7(火)南米プロジェクト最後の講演。講演には永井 大使ご夫妻もお見えになりました。右から3番目は文化担当の竹谷氏。そのお隣。 |
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Talk 予定していた通訳のマルセロさんが突然入院のため、講演3時間前、急遽大使館の通訳の方にお願いすることに。ここはいつものように、発表前のその国の言語(今回はベネズエラに続き、スペイン語)で簡単なご挨拶。 |
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Talk ここは2のマンガの歴史の簡単な紹介部分 (もちろん「鳥獣戯画」) |
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Talk 講演の後、マンガスクールで選ばれた作品の表彰式。 (これは1位表彰者) |
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Talk 最後に努力賞の授与(彼女は目の問題を抱えながらマンガが好きで、描いている人) |
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Talk 最後の最後に帰国留学生会のペペさん(初日のタンゴをエスコート)から花束を。ムーチャスグラシャス(^_^)! |
47.
At Music Shop 講演翌日(11/8)はいよいよアルゼンチンを離れる日。アルゼンチンで最も有名な女性アビータの墓所(これがちょっとしたマンション群という感じの豪華な場所)をお参りしたあと、河口沿いのベニートマーティンの美術館を見学、そしてタンゴつきのランチ。最後の最後にアルゼンチンの有名は弦楽器、チャランゴのプロの演奏家、佐野まりさん(写真左)にわざわざおいでいただき、おみやげのチャランゴを選んでいただきました。お忙しいところ本当にありがとう! 佐野まりさんのサイト:http://www.marisano.com.ar |
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Jon with Quatro and Theo with Chalango from the trip to South America 南米からの帰路、税関の人たちに白い目でみられながらかついでもってきたベネズエラからのクアトロ(右)とチャランゴ(左)はこうして、無事家族の手にわたり、今も主人と息子が毎日のように弾いているのでした。チヤンチャン(手拍子の音)! |
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