平成18年度在米日本専門家中南米派遣プログラム
South
America Art & Lecture Program, 2006
The Japan
Foundation, New York
2. The 2nd
site: BRAZIL
Schedule
in Brazil (日程表:11/1 – 11/4/06)
Brazil: http://en.wikipedia.org/wiki/Brazil
(Wikipediaサイトより抜粋) 公式の英語表記は、Federative
Republic of Brazil。通称、Brazil。日本語の表記は、ブラジル連邦共和国。通称、ブラジル。国号のブラジルは、樹木のブラジルボクに由来する。ポルトガル人がこの地方でヨーロッパで染料に用いられていたブラジル(ブラジルスオウ、ブラジルはポルトガル語で燃えるように赤いの意)に似た木を発見し、それもまた同様に染料に使われていたことから木を「ブラジル」といい、地方そのものもブラジルと呼ぶようになった。1908年に最初の本格的な集団移民、いわゆる「笠戸丸移民」が到着して以降、第一次世界大戦、第二次世界大戦を経て1950年代に日本政府の後援による移民が停止されるまでにブラジルに渡った日本人移民の子孫は4世、5世の世代になり、サンパウロの日本人街を中心に、海外で最大の日系人社会(約140万人)を持つなどブラジル社会に完全に溶け込んでいる。現在は政界や経済界、法曹界で高い地位につくものも多い他、特に長年の農業における高い貢献は非常に高い評価を得ている。 |
Postcard
created by the Japan Foundation San Paulo http://www.fjsp.org.br/agenda/06_11_shojo.htm JBC: http://www.editorajbc.com.br/ Other
info: http://henshin.uol.com.br/2006/11/02/pesquisadora-masami-toku-visita-o-brasil/ http://neorama2.blogspot.com/2006/10/masami-toku-em-so-paulo-e-em-buenos.html 南米訪問第二の講演先は、南米で一番の面積を占める大国ブラジル、そして日系人が一番多いとされるサンパウロへ。ここで私の受け入れ先として準備に奔走してくださったのが、国際交流基金サンパウロ事務所、そしてスポンサーとしてお手伝いくださったのが、
日本マンガ出版の最大手
日系出版会社 JBCの皆さん。ベネズエラ同様ここでも、ブラジルの美術教育事情 <http://www.mofa.go.jp/mofaj/world/kuni/0501brazil.html
>、マンガ事情調査という名目であちこちを訪問したのでした。そして、講演の翌日、楽しみにしていた東山(とうざん)農場 < http://www.bizpoint.com.br/jp/reports/oth/ti0511.htm
>への一泊旅行へ。ここは渡米直前まで、私が日本で10年勤務していた某三菱(^_^)ゆかりの地。さてさて、、、 |
1.
Slum in Monte Azul 10/31(火)夜ベネズエラを発ち、コロンビア(ボゴダ)経由でブラジルはサンパウロに翌日11/1(水)朝5時半頃到着。そのままモンテアズール(「青い山」という意)のスラム(ファベーラ)、NPO支援の美術教育プログラム見学へ。 |
2. At
the juice stand in Monte Azul 7時前、モンテアズール到着。小さなショップで絞りだてのオレンジジュースを!(顔は笑っているけど、朝に弱い私は、長旅とのダブルで沈没寸前) |
2.With Chie, Keika Fujishiro, and Mr. Jose
Torlai, the JF, San Palo 左から:札幌大学からボランティアで教育活動に参加している対馬(つしま)知恵さん、国際交流基金サンパウロの
藤代圭加 さん(日系ブラジル人)
、そしてドライバーのホセさん。 |
2.
Mural Art 学校の建物の一つにあるいたずら壁画 |
3.
At kitchen キッチンにて、ボランティアの知恵さんとキッチンで働く人々。ブラジルの義務教育は基本的に半日交代制で、午前と午後のコースにわかれる。裕福な家では通常、義務教育授業の後、塾等に通わせてるとのこと。 *小学校(1- 4年)中学校(5- 8年)高校(9-11年生) |
4.
Preliminary Meeting 学校見学の前に、担当者の一人、カリーナさんから学校について説明を受ける。ドイツ発祥のシュタイナー教育理論をブラジル流にアレンジした、貧しい人たちのための一種の職業訓練校としての役割を持つ。1975年創立。特にブラジルの教育事情(半日教育)に関連して、学校教育後のアフタースクールとしての役割も持つ。特に義務教育の中ではカバーしきれない、芸術/体育教育強化の教育を実践。 |
7.
At the Monte Azul Monte
Azul: http://www.monteazul.org.br/english/ Volunteers:
http://www.monteazul.org.br/english/ 学校内にて知恵さんと。ここモンテアズールには2カ所の施設があり、乳幼児から高校生まで、4ヶ月から18才約350人が通う。就学前の子供達(4ヶ月〜7才)は一日、7〜14才は午前、もしくは午後の半日学習。このNPO支援の施設は4カ所あり、全部で約1,100人の学生。ワークショップには大人も参加のため、一ヶ月に約6千人のビジターがあるとのこと。 |
8. With
Karina Jesus Almeida NPO職員のカリーナと共に |
9. ChildrenÕs
artwork (after listening to a
story) シュタイナー理論に基づいた美術教育(というよりはセラピー教育)。これはまず教師がお話しを聞かせ、その後子ども達が話しの中の好きな部分を絵にしたもの。教師はここモンテアズールには2カ所の施設があり、乳幼児から高校生まで、4ヶ月から18才約350人が通う。教師は3年間の研修後、教員免許を取得し教えているとのこと。運営は50%をブラジル政府の援助、その他、寄付金、ショップの売り上げに頼っているが、常に赤字とのこと。ブラジルを担う将来の子供たちの未来を助けるという人たちの熱意でもっているプログラムでもある。 |
10.
Symbolic Design: childrenÕs collaborative artworks based on Gestalt Theory http://en.wikipedia.org/wiki/Gestalt_therapy http://ja.wikipedia.org/wiki/ゲシュタルト療法 これも絵によるセラピー教育の一つ。(精神性/情操の確立。しつけ、道徳教育的要素も含む。) 1、詩を読む(例えば、鳥が飛んだ)。2、そのイメージを身体でそれを表現してみる。3、教師がそれを黒板でデモンストレーション(スペースの配分など)。4、子ども達がそれをみてコピーして描く(指で形でなぞってみる。紙を半分に折り、その半分を色で書く。残り半分を描く。)シュタイナー理論では、通常の美術指導法とは異なる。(例:色を混ぜて使う。はっきりしなくてもよい。特定の形でなくてもよい、等々。)参考文献:「耳をすませて聞いてごらん(大貫大輔著)」 |
10. At the
Craft workshop (Wood) 学校内にある木工所施設。ここで生徒たちがつくったものが、同施設内にあるショップにて販売される。クリスマスのためのデコレーションを作っていました。学生の一人。とっても良い笑顔(^_^)! |
12. At the shop (paper making w/ recycling paper 再生紙利用の紙作りプレス所 |
13. At
the shop http://www.monteazul.org.br/english/ 生徒作品販売ショップ |
14. At the
shop (a student is making yarn project) ショップの奥で女生徒の一人が毛糸作品を作成中。 |
15. Inside
view of the shop 販売ショップ内風景 ここの一つ一つの売り上げがプログラム運営に貢献。 |
16. I got
the bag too! (with Chie) 私もここでバックその他を購入(一つ一つ色が微妙に違う。私はこのきれいなオレンジ色、灰色プラス黄色のロゴのコンビネーションに一目ぼれ ^_^) |
17. Walking
to another place of the school by a mural work 学校の施設が点在しているため、次の場所へ移動中。(壁にはブラジルの国旗の絵が) |
18. Walking
and talking together 同様に、見学のため別の施設へ移動中。 |
19.
Another mural ! http://ja.wikipedia.org/wiki/サッカーブラジル代表 あちこちに壁画。これはご存知ブラジルのサッカー選手。みなれた顔が一杯。もちろんしろうとの作品。でも笑えるほど似てるでしょう。 |
20. Computer
studio コンピューターラボ。15〜18才の生徒はコンピュータークラスがある。ちょっとみてみて椅子がカラフル。これは生徒たちがペイントしたものだそう。 |
21. A computer
chair painted by a student その椅子のひとつ |
22. A
Nikkei TV interview before the talk NPOの主催する学校の美術教育見学の後、ホテルへ。仮眠をして国際交流基金事務所へ。通訳の岡さん(写真左)とレクチャーの打ち合わせ後、取材。(これは日系のテレビ局のインタビュー) |
23. Before
the talk この講演にはJBC という日系のマンガ出版会社がスポンサーに。講演前の風景。椅子の上には JBC から出版されているマンガ本が入った袋がフリーギフトとして。 |
24.
JCB (sponsor of the talk) JBC: http://www.editorajbc.com.br/ 会場内に張られたJBCの宣伝ポスター |
25. Talk
(about a semiotic of manga) トークは大まかに4つの内容に(1、発達論を元に子どもの描画に表れるマンガの影響。2、マンガの特徴と視覚文化社会における影響について。3、少女マンガ展示会の概要。4、北米展示会の様子)。ここはその2の部分で、マンガにおける記号論について。 |
26. Talk
(the popularity of manga associated products in US) ここは、2の部分の後半。米国におけるマンガの影響の実例。 |
27. Talk
(about one of the23 artists in Shojo Manga Exhibition, Masako Watanabe) 3の部分。展示会作品の中、わたなべまさこ氏の作品説明部分(初期と現在の作品例) |
28. Audiences
at the talk 国際交流基金内にあるレクチャールームにて。100人収容のところ、それ以上の人々が申し込み来てくださいました。 |
29.
Audiences |
30.
Winners of World Cosplay Contest (Sister & brother, Monica
& Mauricio Somenzari Leite Olivas) 世界コスプレサミット(名古屋で開催)の優勝者の
モニカとマウリシオ姉弟。講演に応援できてくれました。 |
31. After
the talk with Mr. Takahashi and Chie 講演後のだんらん。右が朝早くモンテアズールの学校を案内してくれたボランティアの知恵さん。講演にもかけつけてくれました。奥の笑顔の人が、国際交流基金で窓口になってくださった高橋ジョーさん(日系ブラジリアン)。高橋さんはご本人もかつて漫画家であり、手塚治虫氏がブラジルにいらした時に通訳を担当した方。 |
32. Toast
with Beer after the talk with Mr. Takahashi, Ms. Okano, and Mr. Oka 講演後、アラブ料理レストランにて、もちろんブラジルビールで乾杯!右は通訳をしてくださった日系ブラジリアンの岡さん(サンパウロ大学にてエンジニアをおさめ、その後思う事あり建築学へ。現在JCB勤務。1991年に「アキラ」の劇場版を翻訳した経歴を持つ、自称「おたく」とご本人いわく。)左は高橋さん。お隣も交際交流基金の岡野さん。お二人の会話は漫才コンビ
(^_^) |
33.
Hisaya Iwasaki, the 3rd generation of Mitsubishi Corporation http://www.mitsubishi.or.jp/jp/series/hisaya/index.html The
Mitsubishi Companies http://www.mitsubishi.or.jp/ 翌11/2は楽しみにしていた東山農場へ。そこの博物館で三菱二代目当主、岩崎久弥氏の写真を拝。 |
34.
Tozan Farm http://www.bizpoint.com.br/jp/reports/oth/ti0511.htm Attach here ÒTozan-東山農場 資料館文章 日本語.docÓ とにかく広大な土地(かなり減ったとはいえいまだ900haの規模)に亜熱帯の樹木、植物が咲き乱れる。青いのがジャカランタン、赤が(名前を失念 >_<,,,)の木。 |
35. Seed
beds of Coffee コーヒーの苗床 |
36. Leaves
from a coffee bean 一粒のコーヒー豆から葉っぱが。 |
37. Guest
house 東山農場本館 |
38.
Breakfast (^_^) at the guest house 本館(ゲストハウス)は宿泊施設も兼備。素敵なお部屋で一泊後。翌朝の朝食風景。こちらではすべて農場でとれたもので、お食事を用意。とにかく本当においしい!前日のお昼は下記のサイトを参照のこと(各地のおいしい食事をコラムにしているマルセルさんが取材にこられ、その時のメニューを記事に) *Attach
Òthe Tozan blogÓ here! Tozan-Blog do
Sr. Marcelo Katsuki da Folha de Sao Paulo.doc |
39. A
harvest machine コーヒー収穫ブルトーザー |
40.
Brazilia (The name of Brazil is from the tree and the flagÕs colors are also from this) ブラジリアの樹。ブラジルの名前はここから。国旗の色(黄色と緑)もこの樹からとのこと。 |
41. Mango マンゴーの樹 |
42. One of
the Brazilian menu 早朝にサンパウロへ戻る予定を変更、お昼のブラジル料理を堪能することに。ヤッター! |
43. Lunch
with other parties (from right to left: Keika, Mr. Nakayama, Mr. Toru
Iwasaki, president of Tozan (the 5th generation of Mitsubishi) ブラジル料理の昼食風景。右は、迎えにきてくれた国際交流基金の圭加さん、お隣は総領事館のシェフだった中山氏(ここでご当地の食材を使ってのお料理を研究するため、その日の朝、日本から到着。3ヶ月滞在とのこと)、そして三菱五代目当主で東山の社長でもある岩崎透氏。 |
44. Ms.
Kyoko Tsukamoto, Director of Tozan 東山のディレクターでもあり、コーディネーターでもある塚本恭子氏。ブラジルにほれこんで最近移住してこられたとのこと。NHKが東山でロケをして撮影したスペシャル番組「ハルとナツ」にも出てらした女優さんでもあります。この二日間の素晴らしいお料理(と食器のコーディネート)は恭子さんなしではできなかったもの。素晴らしいのはお料理だけではない(きっぱり)!恭子さんご自身がとても素晴らしい!。会話が魅力的な知的な女性でした。今回の南米旅行は人との出会いの旅でもありました。特にお会いした女性がすべて魅力的で素敵でした。 |
45.
Azuma Kirin http://www.nikkeyshimbun.com.br/020628-62colonia.html 見事ハマってしまった、東山農場の生酒「東麒麟(あずまきりん)」。とにかくおいしかった。当主岩崎氏と話しが盛り上がり、昨晩これをうん本も(とても恥ずかしくて数はいえない 笑)、ほとんど二人であけてしまいました(恭子さんはほとんど飲まなかったので)。自分は日本酒はちょっと、ビール党なので、と常日頃いっておりましたが、実はおいしい日本酒をおいしく飲んだ経験がなかったという事実がこれで判明。
久々に記憶が抜け落ちるという経験をここでしてしまいました。でもここまでおいしいお酒を造るまでのご苦労というのは大変だったことでしょう。その恩恵に預かった幸せ者の私。東麒麟、夢に見そう。 |
46.
A location site of ÒHaru and Natsu (NHK drama )Ó http://www.nhk.or.jp/drama/harutonatsu/ 滞在中、二日間にわたって東山農場を岩崎氏に案内してもらいました。世界を飛び回っている岩崎氏に農場で会えるのは稀とか。その岩崎氏にガイドをしてもらえたのも幸運な私達。ここは例の「ハルとナツ」のロケ現場。ロケがそのまま残っており、当時の日系移民の方々の苦労した生活の様子を垣間みることができます。 |
47. A view
of Tozan Farm ( about 900 ha.) 広—い。 |
48. Kapibara カピバラ(子犬程もある大きなネズミの一種。草食性)農場内にある大きな池でもそもそと草をはもっておりました(ちなみにこの池にはわにとピラニアがいるとのこと。残念ながらそれらは見えず) |
49. Manga
artist at JBC 東山農場を後にし、サンパウロに2時間の帰路。お願いしてあった(少女)マンガ家の人たちとJBCにて取材。 マンガ作成プロセスはアメリカンコミックスタイル。最近は日本マンガ作成システムも少しづつとはいいながら、やはり、1ライター、2ドローアー、3ペインターの分担制が主のよう。 マンガ家になる方法としては、まずイベント等(アニメ、マンガ関係)で同人誌を出し、そこで自信がついたところで、作品のフォトフォリオを出版社に持ち込むという方法が一般的とか。取材に応じてくれた上記のマンガ家の作品を見てもお分かりのように、絵はとにかくうまい。(一般的にコマ割りとか、ストーリー展開とかが日本的というより、非常にアメコミ的という印象かな?) 2000年に入るまではアメコミが主流、それ以降現在は日本マンガが人気を博す。ブラジルオリジナルコミックは少ない。が、「アトッマダモニカ」が不動の人気を誇る。キオスクなどでも世界中のコミック本が売られていたのがちょっと驚きでした。 |
50. Manga
artist at JBC 1970年代から日本アニメという認識のないままブラジルにもアニメが入って来ていたが、マンガはまだまだという状態だった。1991年以降「アキラ」が劇場アニメと同時にコミック本(マーベル/講談社)が出、
大学生等、知識階級を刺激したが、大人気にはいたらなかった。アニメに関しては、1994年「セイント聖矢」TVアニメスタートし、爆発的人気を得る。(彼女達もそれに刺激されたとのこと。)次にセーラームーン、ドラゴンボールが共にTVアニメでヒット。 マンガに関しては、アニメに遅れることうん十年。1990年代に商業マンガ(例えば、「子連れ狼」「カムイ伝」等)が入ってきたが、人気は出なかった。その後、出版会社CONRADが、2001年に「ドラゴンボール」「セイント聖矢」で爆発的人気。同年JBCも「るろう人剣心」「カードキャプテンさくら」を出しヒット。その後この5年間で50種類を出版。現在常時10種類ほどを出版しているが、すべてが定期出版ではない。(例えば、CLAMPの「さくら」は日本の単行本の半分量で月刊、「つばさ」「ホリック」は口語に毎月出版。「フルーツバスケット」は単行本で月刊、「犬夜叉」は半分量で隔週出版。) *以上情報は全て岡氏より入手 |
この後サンパウロではじめて1997年にオープンした日本マンガショップ「Animanga」を訪問。オーナーの長田さんよりいろいろお話しをうかがいました。が、その時の取材風景は写真とともに次回ご紹介。 |
最後はJBCの皆さん、そしてAnimanga の明美さん(本職バレリーナ)とお別れの夕食会で盛り上がりました。がそれもまた写真とともに近日中に。お楽しみに! |